魔法使いのぼうし

わたしの同僚のベッカムくん。

イカツイ風貌の彼がスーツ姿で現れると・・・
頭の中に「西部警察のテーマ」が流れる。

一輪車おじさんに「クミチョウ！！」な～んてからかわれて
フッとニヒルに笑う。

だま～ってたらコワソ～かもしれないけど、
彼はホントにホントに優し～い紳士だ。

以前、同じ住宅に住んでたとき、
太陽小僧やぷりん姫ともどもお世話になった。

太陽小僧がその頃はまっていたアニメ「ペンギンの問題」
いつもベッカムくんを見て、
太陽小僧の話にのって
楽しんでくれていた。

そのうち、だんだん「西部警察」よりも
ペンギンの問題の「ベッカムくん」に似てきた彼・・・

だから、今ではベッカムくん！
卒業文集の自画像のコーナーには
ベッカムくんの絵を描いていた・・・

今日は、そんなベッカムくんのお話

ベッカムくんが、カケロマの道を車で走っていると・・・
精肉店のおじさんが、何やら投げている・・・
いまいましそうに、声を上げながら投げている、投げている！！

「わ～、この人大丈夫かなあ・・・？」

おじさんは、カラスめがけて何やら投げていたらしい。
というのは、
おじさんの手の中には、カラスに攻撃された一羽の鳥・・・
鋭い眼差しはタカ系か？？

羽をケガして動けないでいる。

「どうしたんですか？」
やさしいベッカムくんが声をかけると、

「はい！！」
おじさんは、ベッカムくんにその鳥を手渡した。

？？？？

なんだろう？どうしたんだろう？

状況がのみこめないけど、どうやらその鳥の里親に任命されたらしい！

気のいいベッカムくんは、
傷ついた鳥を学校に連れてきた。



よくみると結構かわいい。

みんな集まってきた。

近くの学校の校長先生は鳥博士なので、
早速電話をして鳥の特徴を伝えた。

「多分サシバの幼鳥だと思います。」
とのこと。

まだよちよち歩き・・・よちよち飛びの赤ちゃんサシバ
素早いカラスにやられてしまったのかも・・・

カラスにいじめられないように
一輪車をひっくり返して
仮の小屋・・・

1時間経ち2時間経つと・・・
さすが野性のサシバの子！
元気を取り戻した。

少し立てるようになった。

ベッカムくんが手を出すと、
首を回して、にらみつけて、口を大きく開けて威嚇する！

よかった。元気になってきた。

「2時間も経つと、つつかれましたよ～。
　ちょっとサビし～。」
とベッカムくん。

でも、元気になったサシバの子を嬉しそうに見ている。

放課後、近くの山にサシバの子を連れて行ったベッカムくん！
「ピューって口笛ふいたら、サシバの子が肩に止まるってのはどうよ！」
な～んてみんなに言われてたけど・・・

自然に生きるのが一番だよね。

ベッカムくんが傷ついた鳥を助けて、
元気を取り戻したらすぐに山へかえしたこと、
子どもたちも嬉しそうに見ていました。